千葉中央法律事務所
ごあいさつ 弁護士紹介 相談案内 取扱業務 弁護士費用 事務所の活動 事務所ニュース リンク
取扱業務
トップへ
労働事件・労災事件

1.整理解雇

(1) 解雇を言い渡されたのですが、どのような場合に有効なのでしょうか
(2) 昨日、会社から「経営が苦しいので解雇する」と言われました。突然のことで何の説明もなく、本当に社員をクビにしなければならないほど会社が業績不振かどうかも分かりません。なぜ私が解雇なのかも納得いきません。泣き寝入りしなければいけないのでしょうか。
(3)「整理解雇の4要件」という言葉は聞いたことがありますが、どのようなものですか
(4) 私の場合は、4要件を充たしているといえるのでしょうか
(5) 解雇を撤回させるためには、どんな制度や手続きがありますか

2.残業代の不払い

(1) 労働時間かそれとも休憩などそれ以外の時間かは、どのようにして区分されるのですか
(2) 私の会社では、作業着への着替えと安全具の装着が義務づけられていますが、この時間は労働時間ではないのでしょうか
(3) 私は、外食産業の店長をしていますが、店長といっても何の権限もありません。会社は「店長は管理職だから」といって、残業手当を払ってくれません。このような取扱いが、許されるのでしょうか
(4)私は、ビル管理の業務に就いています。「仮眠時間」が決められており、その時間分は賃金が払われていません。でも実態をみると、来客とか電話にはその都度応対しなければなりません。おかしいように思うのですが・・・
(5) 残業手当を支払わせるためには、どんな方法がありますか


解雇を言い渡されたのですが、どのような場合に有効なのでしょうか

 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合には、その権利を濫用したものとして、無効となります(労働契約法第16条)。これは、多くの判決の積み重ねによって確立されてきた「解雇権の濫用法理」を、法律で明文化したものです。

昨日、会社から「経営が苦しいので解雇する」と言われました。突然のことで何の説明もなく、本当に社員をクビにしなければならないほど会社が業績不振かどうかも分かりません。なぜ私が解雇なのかも納得いきません。泣き寝入りしなければいけないのでしょうか。

 企業の経営上の必要性に基づく解雇ですから、いわゆる「整理解雇」にあたります。整理解雇は、従業員の責任によらない解雇ですから、解雇が有効となるためには厳しい条件が設けられています。それが、「整理解雇の4要件」といわれるものです。

「整理解雇の4要件」という言葉は聞いたことがありますが、どのようなものですか

 簡潔に言えば、次の4つです。
 (1) 人員整理の必要性があること
 (2) 解雇回避努力を尽くしたこと
 (3) 人選の基準が合理的であること
 (4) 説明・協議を尽くすなど、解雇手続きが相当であること

私の場合は、4要件を充たしているといえるのでしょうか

 詳しくお聞きしないとハッキリしたことはいえませんが、「突然」何の資料も示されずに解雇通告があったとすれば、(1)(業務上の必要性)、(2)(回避努力)、(4)(説明義務)の要件をいずれも充たしていない可能性が極めて強いといえます。また、(3)(人選基準の合理性)も、問題がありそうです。したがって、あなたに対する整理解雇は、解雇権の濫用であり無効である可能性が、極めて高いといえます。

解雇を撤回させるためには、どんな制度や手続きがありますか

 最終的には「裁判」を提起することになりますが、裁判にも、本裁判・仮処分・労働審判があります。ここでは、労働審判について述べておきますと、この制度は2006年(平成18年)4月に発足した新しい制度です。3回以内に調停(和解)をまとめるか「審判」(裁判)を下します。審判に不服があれば、異議を申し立てることによって本裁判に移行することになります。短期間に解決できるメリットがあり、制度発足以来多くの事件で活用されています。

労働時間かそれとも休憩などそれ以外の時間かは、どのようにして区分されるのですか

 「労働時間」とは、労働者が使用者の指揮監督の下にある時間をいいます。逆の言い方をすれば、「休憩時間」とは使用者の指揮監督を離れて自由に使える時間をいいます。使用者が、法定の労働時間を超えて時間外労働をさせた場合には、割増賃金を支払う義務があります。割増賃金を支払わない場合を「サービス残業」などと呼ぶ場合がありますが、もちろん違法行為です。

私の会社では、作業着への着替えと安全具の装着が義務づけられていますが、この時間は労働時間ではないのでしょうか

 義務づけられていれば、文句なしに労働時間です。判例では、義務づけの性格が強い更衣・安全保護具の着用、更衣所から作業場への移動時間、資材の受け出しに要する時間を労働時間としています。

私は、外食産業の店長をしていますが、店長といっても何の権限もありません。会社は「店長は管理職だから」といって、残業手当を払ってくれません。このような取扱いが、許されるのでしょうか

 労働基準法によれば、管理監督者の場合には労働時間の規制が及びませんので、残業代等を支払う必要がありません。しかし、管理監督者であるかどうかは、肩書きではなく、実質的な権限によって判断されます。具体的には、(1)経営者と一体的な立場あるといえる程の職務上の権限を与えられているか、(2)自分の労働時間を自由に決められるか、(3)給与・一時金が管理監督者にふさわしい待遇となっているか、などが重要です。あなたの場合、「何の権限もない」とのことですので、おそらく(1)〜(3)に当てはまらないでしょうから、残業代の不払いは違法だと思われます。

私は、ビル管理の業務に就いています。「仮眠時間」が決められており、その時間分は賃金が払われていません。でも実態をみると、来客とか電話にはその都度応対しなければなりません。おかしいように思うのですが・・・

 確かに、あなたが言うとおり、労働時間だと考えられます。最高裁の判例では、不活動仮眠時間であっても労働からの開放が保障されていない場合は、使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当であるとして、時間外手当の支払いを命じています。「労働からの開放が保障されている」という実態にあるかどうかによって、判断されることになります。

残業手当を支払わせるためには、どんな方法がありますか

 まずは、労働基準監督署に申告をしましょう。是正勧告を出してもらうことによって、支払われることも少なくありません。監督署で、是正させることが出来なかった場合には、裁判を起こすことになりますが、その方法は「解雇」の場合と同じです。


1.労災事故にあったとき・職業病になったときに、まず何をすべきですか?

2.労災保険から給付される損害は?

3.訴訟をやる意味と勝つために必要な法的要件は?

4.「過労死」や「過労自殺」が社会問題になっていますが・・・

5.千葉中央法律事務所ではどのような活動をしていますか?


労災事故にあったとき・職業病になったときに、まず何をすべきですか?

 何をさておいても、まず労災の認定を申請しましょう。
 労働基準監督署に申請することになります。通勤途上に災害にあった場合も同じです。申請に必要な書類は、労基署に問い合わせるなどして下さい。

労災保険から給付される損害は?

 (1)療養補償(治療費など)、(2)休業補償、(3)障害補償(後遺症が残った場合)、(4)遺族補償(死亡の場合)、(5)葬祭料(同)、(6)傷病補償年金(受傷後1年6か月を経過し、一定の要件を充たした場合)、(7)介護補償です(労働者災害補償保険法12条の8)。逆に言えば、精神的損害についての慰謝料、物的損害についての賠償は支払われません。

訴訟をやる意味と勝つために必要な法的要件は?

 労災保険から支払われない損害や不十分な補償を補う請求をするためには、会社と交渉するか、それがまとまらないときは民事訴訟(損害賠償請求訴訟)を提起することになります。ただ労災保険は無過失責任ですから、会社過失があるかどうかは問題になりません。これに対して、民事訴訟で損害賠償請求が認められるためには、会社の「落ち度」(安全配慮義務違反・不法行為責任)を主張し、立証しなければなりません。労働安全衛生法に違反して、安全措置が講じられていないとか、安全教育がされていなかったことなどが問題になります。

「過労死」や「過労自殺」が社会問題になっていますが・・・

 最近、過労死や過労自殺が大きな社会問題になっています。「過労死」とは、業務に起因する脳血管疾患および虚血性心疾患等(脳出血、くも膜下出血、心筋梗塞など)による死亡で、業務に起因するものを言います。
 その認定には大変な困難がありますが、認定基準が定められています。
 例えば、「過重負荷」については(1)異常な出来事、(2)短期間、(3)長期間(発症前1か月間に100時間、2〜6か月平均で月80時間を超える時間外労働があれば発症との関連性は強い)という3つの基準が定められています。
 また、過労自殺についても、「精神障害・自殺新認定指針」が策定されています(1999.9.14)。

千葉中央法律事務所ではどのような活動をしていますか?

 労災と認められるためには、「業務上の災害」との認定が必要です。ところが、職業病や過労自殺の場合は、判断が困難なことも少なくなく、高度の知識と経験が求められます。千葉県では、「いの健」(働くもののいのちと健康を守る全国センター)や職対連(職業病対策連絡会)の活動が大変活発です。
 私たちの事務所も、こうした市民団体などとも協力しながら、多くの職業病・過労死事案を担当してきました。

ページトップへ
Copyright(c)2009 千葉中央法律事務所 All right reserved.