銀行、クレジットカード、消費者金融などの借金が重なり、毎月の返済ができなくなりました。借金を返してしまうと生活ができません。これ以上返せないのでなんとかなりませんか、何とか無理のない返済をするようにできませんか
借金の返済が困難になった場合に、解決できる方法は、4つあります。任意整理、特定調停、自己破産、個人再生です。
任意整理とはどのようなものですか
お金を借りる場合、利息を払うことが多いですね。しかし、利息制限法という法律で定める利率を超えて利息を取ってはいけません。従来、多くの貸金業者は、この法律で定められた利息を超えて利息を取っていました。貸金業者などから貸借りの経過を開示してもらい、法律に従って計算すると借りている金額がぐっと少なくなることがあります。こうして借金を少なくして、毎月の返済可能な金額で分割で返済していく話し合いを弁護士などがすることを任意整理と言います。
特定調停とはどのようなものですか
任意整理とほぼ同じことを、簡易裁判所に申し立てて行うものです。
自己破産とはどのようなものですか
自分の財産や収入で、借金が返済できないことを裁判所に認めてもらう手続きを自己破産と言います。もう、借金を返すには収入が少ない、全く収入がない、といった場合に、この手続きを取ります。
ただし、破産をしただけでは借金はなくなりません。借金をなくすには、裁判所から免責という決定をもらわなければなりません。借金の主な理由がギャンブルとか浪費にあるとか、財産を隠しているなどと言ったことがあると免責が認められないことがあります。
破産をした場合、官報という政府の新聞に住所と名前が載ることや、一定の資格がなくなることがあります。選挙権がなくなるということはありません。
官報を見て、悪質な業者がダイレクトメールを出してくることがあり、うかつにお金を借りると大変なことになるので注意しましょう。 | |
個人再生とはどのようなものですか
任意整理や特定調停では返済しきれないが破産はしたくない、住宅ローンはきちんと払い、それ以外の借金を減額したいという場合などに利用します。
一般に、(1)住宅ローン以外の借金の1/5、(2)100万円、(3)自分の財産を比較して、一番多い金額を原則3年で返済する裁判所の手続きです。ただし、債務金額によって、取り扱いが異なります。
過払い金って何ですか?
貸金業者との貸借りの履歴を開示してもらい、利息制限法で計算すると借りている金額がぐっと少なくなることがあります。貸借りの期間が長いと元金がゼロになり、さらに長いと利息を払いすぎてしまっている場合があります。この払い過ぎた利息は、過払金として業者に返還を求めることが可能です。ただし、たくさんの過払金の返還請求を受けた貸金業者が経営困難に陥っており、近年、全額の返還を受けることが困難になってきています。
ヤミ金の被害に遭っていますがどうすればよいでしょうか
借りたお金の何百倍、何千倍もの利息を取る、悪質な業者がいます。数万円という少ない金額で貸し付け、1週間から10日毎に利息を取る、契約の書面も交わさず、業者の情報は携帯電話しかわからないなどの特徴がみられます。
こうした業者は、利率が出資法という法律に違反して刑事罰の対象となったり、取り立てが脅迫罪に該当したりすることがあります。
被害が大きくなる前に相談しましょう。
私の友人が業者の強引な勧誘に負けて次から次へと高額な化粧品や呉服を買わされています。悪徳商法ではないかと思うのですが、悪徳商法にはどんなものがありますか。
近年、さまざまな悪徳商法により粗悪品や不必要な高額商品を購入させられるなどの被害に遭う人が増えています。
悪徳商法には、例えば、
・自宅を訪問して商品を売りつける訪問販売、
・街で声をかけて商品を売りつけるキャッチセールス、
・電話で勧誘して商品を売りつける電話勧誘販売、
・加入者を増やせば手数料で儲かるなどといって多数の加入者を勧誘させるマルチ商法、
・資格をとれば仕事をまわすといって教材を売りつける方法、
・修理が必要だと騙して高額の代金で家屋を修理させるリフォーム詐欺、
・インターネット・サイトを利用したら高額な料金を要求されるトラブル
など、様々な形態があり、次々と新たな手口が編み出されています。
高齢者や若い学生が狙われるケースも少なくありません。
必要のない商品やサービスを勧誘されたときは、早めにきっぱりと断ることが重要です。
契約書類にサインをするよう言われましたがどうしたらよいでしょうか。
契約書にサインをしてしまうと契約を結んだことになってしまいますので、内容を十分に検討しないまま安易にサインすべきではありません。契約書には重要なことが小さな文字で書かれていることもありますので注意が必要です。
また、「分割払いにすれば支払いは楽だ」と勧められてクレジット契約を組まされることが少なくありません。分割払いだから払えると思っても、実際は支払ができなくなったり、多額の借金を抱えたりすることもあります。同一人物が契約書を持ってきても、商品の売買契約を結ぶ相手(販売店)とクレジット契約を結ぶ相手(クレジット会社)は別なので注意が必要です。
本当は嫌だったのですが、契約書類にサインをしてしまいました。代金を支払わなければならないのでしょうか。
契約書にサインをしてしまった場合でも、一定の期間内であれば契約を解除できるクーリング・オフという制度があります(契約書面を受け取ってから8日という場合が多い)。
また、勧誘方法や勧誘時の説明内容に問題がある場合には、民法、消費者契約法、特定商取引に関する法律などに基づき、契約の取消・無効・解除などを主張できることがあります。
クレジット会社に対しても、販売店の勧誘方法や勧誘時の説明に問題があれば支払いを拒める場合があります。
法律相談をしたいのですが、何か用意していくものはありますか。
悪徳商法にひっかかった、クレジット被害にあった、という場合には、早めに弁護士へご相談ください。相談にあたっては、お手元にあれば、契約書類や勧誘を受けたときのパンフレットなどをお持ちください。また、いつ、どこで、どのような勧誘を受けたのか、時系列でメモを準備されると相談が進めやすいと思います。
|